プラトン『パイドン』導入 | 紫陽庵 casina d'ortensia
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2014.09.23 Tuesday - -
プラトン『パイドン』導入

これは、カテゴリーの悩ましい(ーoー)。


この春あたりから、購読会に参加させていただいてます。(>えーっと。ご興味の方は、ご一報くだされたし)。

夏休みが終わって再開したと思った途端、用事が重なって欠席が続いたため、何の話だったか思い出さなきゃ、と見直しているところ。

目下の話題は、冗談でなく、想起説。

これまでの流れを振り返ると、ソクラテスの死の間際の様子をその場に立ち会ったパイドンが話す、という大枠の物語設定からはじまります。ソクラテスは、死ぬ前、こんなやりとりしてましたよー、というのが、主な部分。

さて、死を目前にしたソクラテスが、死は魂と肉体の分離だから、「哲学者」にとってはむしろ喜ばしいことだと語るのに対し、ケベス君は、

魂は、
(1)肉体から離れると無に帰すのではないか、
(2)存続したとしても、「力と知性」を持っているのか、

と疑問を投げかけます。

この疑問に答えるべく、魂が不滅であることの証明が始まります。
大雑把に言うと、まず論じられるのは、

a)反対物からの生成、循環による説明
b)想起説による説明(72e3-77a5)

←ここで、生まれる前に存在したからと言って、死後にもなお存在しているとはいえない、との反論が提出される。


一応、循環説にしたがえば、死者が生者から生じるように、生者は死者から生じる以外に方途がない(!)ということになるのだが、もうちょっと掘り下げてみましょうと話は進むことになります。

で、今は、この想起説の箇所を読み進めているところ。


『パイドン』の魅力の一つは、たぶん、特にソクラテスがユーモラスなところ。それにつられて話し相手も、なんだか穏やかなんですよねー。

 想起説の話に入るところ、この話はすでに話してる人たちには既知の事柄として出てきます。でも、その話を良く覚えていないというシッミアス君。ケベス君が説明しても承服しがたい様子だったらしく、ソクラテスに、学びと呼ばれているものが想起だとは信じてないんだねぇ、と言われてます。
 そう言われると、あわてて打ち消すのが、おかしいところ。取り繕ってます。
「信じてないなんて、この私が、そんなことはないですよ、ただ、その、いま話題になっている、想起っていうのを経験してみたいんですよー(えへ)。」
みたいな。シッミアスのキャラが感じられる箇所だね。


 生まれて以降に得たものではない知識、特に感覚によらないものを我々が導き出す場合、それは、魂が生まれる前に既に得ていた知識を想起しているのだというのが、想起説です。それが、ごく日常的な想起、何かを思い出すことと同列に話されていくのが、独特でもあり、何となく私にはひっかかるところです。


何というか、なかなか、ぐぐっとぐいぐいっと読んでる気分が出ないのは、中断しすぎているからだろうなー。絶対、もっとおもしろいはず(悔)。

ん。でも大分、思い出されてきた。


魂と身体の話は、いろんなところに出没してます。
最近のYeats のクラスもそんな話題でした。随分、おもむきは違うけど・・・。
2006.11.09 Thursday 15:42 哲学-filosofia-philosophy comments(2)
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2014.09.23 Tuesday - -
Comment

ふぉぉー、シミー(勝手に略してるし)ってば、ナイスキャラだねぇ(^^)
しかしまぁ、死んだ人から生きてる人が…ってそれはゾンビでしょうか?(ドキドキ)

ひょいと思い出したことが、生まれる前からのものかどうかってこと、私には判断しづらい気がしたのでありました(笑)

死ぬ間際に、こんなことを話しているなんてソクラーさんはなかなか肝っ玉の据わった方だ…。

タケシ 2006.11.2006/11/09 20:51


ナイスでしょ(^^)。
ゾンビは身体だけなんだけど、こっちは、魂だけって話なのよね。
どうやら、魂の数には限りがあることになってるようで、死んじゃった人の魂が戻ってくるのでなければ、どんどん死んでしまって、生きてる人がいなくなってしまうというわけです。


私の違和感は、思い出した、とおもわないものを、それは思い出したんだよと言われても困るよなーというものなの、たぶん。

この世界のうちにないもの(ここで例に挙がってくるのは、「等しいもの」はいろいろあるけど、「等しさ」というものはこの世界にはない)を、人が知っているけど、この世界で知ったのではない以上、それは生まれる前に手に入れた知識ということになる、というのね。

今の人なら、人間の側の認識なり、抽象作用が生み出したものと考えるところよね。


そうなの。肝っ玉の据わってるってところが、一つのミソなのよね。彼の信念は、かなり宗教心も伴っていて、その揺るがなさが、全編を通じて伝わってくるわけですなー。

ahirucci 2006.11.2006/11/11 12:40